MAP減災みちしるべ

地域のみんなでつくる
新しい街のマップづくり、
それが「減災みちしるべ」です。

雨の日も風の日も、そして災害発生時でも、
どんな日でも毎日欠かすことなく、新聞はあなたの元に届きます。

地元の“街や道”をよく知る新聞社の知見や、地域のみなさんの経験をお借りして、避難時に注意すべき道の状況、災害時にありがたい場所・情報、過去の災害の実績など、災害直後に意識すべきことをわかりやすくデザインした「みちしるマーク」を地図上に配置していくことで、この地図は完成します。

  • 「減災みちしるべ」マップづくり #1
    大分県の日岡小学校で5年生58人が
    「減災みちしるべ」マップづくりに取り組みました。

街を知ると、
未来の行動も見えてくる。

これは災害時の被害を最小化させる、みちしるべとなります。
※みちしるマークをクリックタップすると詳細ご覧いただけます。

出典:国土地理院地図電子版を加工して作成

大分大学減災・復興デザイン教育研究センターの活動に協力している学生さんと一緒に、地元大分県別府市の街を歩いてみました。

過去の経験や未来の注意予測まで。あらためて気付かされた、たくさんのヒントをこの地図にしるしています。

みちしるマーク

自分のご近所だったらどんな被害が起こるだろうか。
自分の家族はどうやって避難するだろうか。
災害が起こることを想定し、街についてもう一度見直したくなる仕組み、それが「みちしるマーク」です。
自分のために、そして誰かのために。災害被害を最小限に抑えるために、
あなたや地元ならではのオリジナル「みちしるマーク」をぜひつくってみてください。

たとえば...

夜でも明るい
地面欠けあり
ベビーカー
段差注意

役立つ災害避難情報マーク

避難所
自宅
オープン
スペース
こども110番
の家
海抜3m
海抜5m
海抜10m
公共施設
公衆電話
災害自販機
津波警報
スピーカー
消火栓
充電スポット

道路情報マーク

地面欠け
あり
交通量多し

実績/危機予想マーク

倒木
マンホール
水逆流
家屋崩壊
河川氾濫
ガードレール破損
窓ガラス破損
落下物
落石
土砂崩れ

経験にもとづくマーク

夜でも
明るい
遠景がみえる
スリップ
経験あり
冠水した
経験あり
坂傾斜きつし
屋根あり
雨避けに
足場がたがた
段差あり
押し荷通行難

減災みちしるべ ワークフロー

「減災みちしるべ」をつくってみました。

大分大学減災・復興デザイン教育研究センターの活動に協力している学生さんたちが選んだのは、
人口約12万人の温泉観光都市、大分県別府市南部を流れる朝見川周辺です。

別府市の全体図です。現場は市立南小学校がある辺りです。

拡大図です。東側に別府湾、西と南側に山があります。北側が別府市中心部です。
以前は市の中心部でした。そのため、住宅が密集する昔ながらの町並みが特徴です。一方で、火災が起きると延焼しやすく、1992年の「松原大火」では25棟、2010年の「光町大火」では38棟が全半焼しました。
少子高齢化も進んでいて、2002年には二つの小学校が統合。さらに、中学校は来年、市中心部の別の学校との統合・移転が決まっています。

また、別府湾周辺の活断層による直下型地震や、それに伴う津波による被害が考えられます。さらに、大雨による朝見川の氾濫や、西側にそびえる活火山・鶴見岳の噴火など、さまざまな災害が想定されるため、避難に役立つ「減災みちしるべ」をつくることにしました。

南小学校前の朝見川。奥が別府湾で、船が起こした波が上がってきます。建築中の建物は鉄筋3階建ての「地域交流センター」で、多目的ホールや保育所、児童館などが入居します。2021年春にオープン予定です。

【準備物】

  • 白地図…道路や建物が細かく描かれたもの。歩いて得た情報を書き込みます。国土地理院のホームページで印刷できます。
  • 画板…白地図を挟んで持ち運び、記入用の台として使います。A3判対応がよいでしょう。
  • 筆記用具…色違いのボールペンやペン、鉛筆などを用意しましょう。
  • みちしるマーク…このホームページに掲載予定。プリントアウトして切り取り、裏側に両面テープを貼っておくと使いやすいです。何も記入していない白地のものを作っておくと、新しいみちしるマークをすぐに描けます。
  • カメラ、ビデオカメラ…調査の様子を記録しておくと、調べた結果を大きな地図にまとめる時に役立ちます。ビデオカメラは、調査の時にしゃべったことも記録しておけるので便利です。
  • ハザードマップ…自治体のホームページに掲載されています。調べたところにどのような危険があるのか分かります。

今回の出発地点は、住宅街の中にある松原公園。ここから、約600メートル離れた南小学校まで歩きます。

松原公園は避難場所に指定されていて、近くの避難マップがありました。チェックしましょう。
周囲を見回しながらゆっくり歩きます。気付いたのは、住宅のベランダにあるエアコンの室外機や鉢植え。
地震の揺れで落ちると人に当たる可能性があります。さっそく地図に記入します。

電柱には、その場所の海抜(地面の高さ)が表示されていました。これも書き込みます。

地区内の道路は道幅が狭いのですが、車の交通量は多いです。通学の時間帯には交通規制も実施されています。複雑な形の交差点もあり、どういった形で注意を促すかを話し合います。

さらに気付いたのは、マンホールの多さです。下水道の場合は、大雨が降ると水があふれ出し、マンホールのふたが外れて人が落ちる可能性があります。

さらに気付いたのは、マンホールの多さです。下水道の場合は、大雨が降ると水があふれ出し、マンホールのふたが外れて人が落ちる可能性があります。

避難時の隠れた危険はここにも。ブロック塀は地震の揺れで崩れる可能性があります。地区内には空き家と思われる民家も見受けられ、管理の難しさを感じました。

地区内の道路は見通しが良いのですが、標高差がないため、すぐ近くにある海が見えません。津波が起きていても気付くのが遅れそうなのが気になりました。

地区内にある公共温泉の前です。実は令和2年7月豪雨の際、膝の下まで浸水しました。過去に被災した場所も地図に書き込んでいきます。

地区の南側には山が迫り、急傾斜地に建物があります。土砂崩れなどの可能性があるため、チェックします。

地区の南側には山が迫り、急傾斜地に建物があります。土砂崩れなどの可能性があるため、チェックします。

白地図には、チェックした項目が多く書き込まれました。これを大きな地図にまとめて「減災みちしるべ」をつくります。

調査結果を基に、みちしるマークを貼っていきます。写真や動画で振り返りながら、どのマークが合うかを決めていきます。

適当なマークがない場合は、手書きのマークを作ります。
海抜を書き込んだり、具体的な公共施設の名前を示したり、どうやったら見やすいかを考えていきます。
他にも、空き家を赤枠で囲ったり、水があふれる可能性がある側溝をどう示すかといったことを話し合いました。

さらに、普段から注意する点や改善したい点などを付箋に書き込んでいきます。

ピンクの付箋には「避難時に気をつけること」、緑の付箋には「普段から気をつけておくこと」、青の付箋には「改善ポイント」、黄色の付箋には「減災みちしるべを作る上での留意点」を記しています。

地域の人たちに見せて意見を求めたり、行政に相談する際に分かりやすくなります。

こうして出来上がった減災みちしるべがこちらです。